誕生花

 本屋に立ち寄ってぶらぶらしていたら、誕生花が365日分のっている本を発見した。何気なく見てみたら・・・。大好きなひまわりの花は私の一週間前の誕生日にとられてしまっていた。だんだんと目を落としていくと、私の誕生花は「ハルジオン」。えっ?聞いたことない、そんな花の名前。と思ってそこに記されていたイラストをよく見てみると、なんと、そこら辺の空き地にいやっ!ってほど咲いている貧乏草・・。ふんわりとドレスのような花びらをつけているような花ではなく・・ちょちょぎれそうな花びらの貧乏草。365日分もある花の中からたった一日にあたった貧乏草・・。

 ごめんよ。あなたの本当の名前は「ハルジオン」だったのね。小さい頃のまだ素直さに満ち溢れていた頃の自分が思っていたことを思い出す。「同じお花なのに貧乏草なんてよばれてかわいそう・・」。さらに思い出す。ちいちゃい頃なんでもない日に駄々こねて、親戚の家からもらってきたお古の真っ白いワンピースを着させてもらって、家の近くの空き地ではしゃぎまくって摘んだたっくさんのお花を両手に持って満面の笑みを浮かべている自分の写真・・。そのとき手にしている花も貧乏・・いやハルジオン。

 ああ はるじおん。これからは道端で見かけてもさげすんだりはしないよ。
 ああ はるじおん。めいいっぱい咲いておくれよ。